今年も最低賃金が引き上げとなりました。 最低賃金の増加は22年連続となっています。
最低賃金制度とは:最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
厚生労働省より各都道府県の答申に基づいた最低賃金額が公表されました。引上げ額の目安は50円でしたが、最終的には50円~84円(徳島県)の引上げとなり、全国平均は51円増の1,055円でした。
■改訂される最低賃金額
(発行年月日:2024年10月1日)
東京都 | 1,113円 | → | 1,163円 |
神奈川県 | 1,112円 | → | 1,162円 |
千葉県 | 1,026円 | → | 1,076円 |
埼玉県 | 1,028円 | → | 1,078円 |
静岡県 | 984円 | → | 1,034円 |
茨城県 | 953円 | → | 1,005円 |
■最低賃金の確認方法
最低賃金は時給で表示されますので、基本的にすべて時給に直して確認します。
時給 | 時間給≧最低賃金額(時間額) |
日給 | 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額) |
月給 | 月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額) |
厚生労働省ホームページより
■下図の情報から月給制を時給に直して確認します。
基本給 | 180,000円 |
職務手当 | 30,000円 |
通勤手当 | 12,000円 |
時間外手当 | 35,000円 |
合計 | 257,000円 |
労働時間/日 | 8時間 |
年間労働日数 | 250日 |
東京都の最低賃金 | 1,163円 |
支給された賃金から対象外となる通勤手当、時間外手当を除外します。
(この他、除外される手当には慶弔手当など臨時的なもの、固定残業代、休日手当や精皆勤手当、賞与などがあります。)
257,000-(12,000+35,000)=210,000
(210,000×12か月)÷(250日×8時間)=1,260>1,163
計算された時給は1,260円ですので最低賃金額以上と確認できました。
■改定された最低賃金の摘要基準日
改定された最低賃金は、労働日(勤務日)を基準に適用されます。
例)15日締め当月25日払いのクリニック 発効年月日:2024年10月1日
9月16日~9月30日・・・今までの賃金
10月1日~10月15日・・・改定後の最低賃金が適用されます。
最低賃金の増加は人件費の増加につながるため、クリニックの経営環境の変化につながります。そのため必要な設備投資や、人材育成にかける予算が減少するなどの影響が考えられるため、適切な予算管理が必要です。経営について相談をご検討の場合は、日本クレアス税理士法人までご連絡ください。