特に、高齢化社会が進行する日本においては、医療のニーズが増大する一方で、医療人材の人手不足が深刻化しています。
このような状況の中で良い医療人材を確保するためには、より良い勤務環境を提供することが重要です。
今回は、その取り組み事例をご紹介します。
1.フレキシブルなシフト制度により働きやすいスケジュールを実現
医療従事者は長時間労働や不規則な勤務が多いため、自身の生活スタイルや家庭の事情に合わせたシフトを選択できるようにします。フルタイム勤務だけでなく、パートタイムやショートシフトも選択でき、個々の希望に応じた柔軟な働き方を可能にします。
2.充実した労働条件
効率的な業務をサポートすることで、医療スタッフの負担を軽減します。RPAや電子カルテの活用による定型業務の自動化を行う医院・クリニックも増えています。設備や医療機器は可能な限り、最新の技術や装置を導入し活用します。
3.ワークライフバランスのサポート
医療従事者は高いストレスや負荷にさらされることが多い職種です。定期的な休暇や休暇の取得を奨励し、メンタルヘルスのケアにも配慮します。子育て支援や福利厚生制度の充実も重要です。 また、ご家庭の都合による離職は非常に残念です。離職率低下の為の対策として、診療費用の補助制度、選択型福利厚生制度(社宅、住宅補助、慶弔金制度など)、通勤手当(準夜勤タクシー送迎)、などがあります。ウォーター(コーヒー)サーバーのスタッフルーム設置も人気のようです。
4.チームワークとコミュニケーション
医療現場ではチームでの協力が不可欠です。コミュニケーションを円滑にし、情報共有や連携を促進するためのシステムやツールを導入します。定期的なチームミーティングや研修も重要です。
医療事故の原因1位は人手不足による忙しさ、2位は知識や技術の未熟さ、です。休職者が復帰するには、現場の感覚を取り戻すための訓練や研修が必要です。マニュアルを整備する事でスタッフの個人差を無くし質の担保を保つ方法も良いでしょう。
5.報酬とキャリア
適正な報酬やキャリアパスの提供を通じてモチベーションを高めるという意味において、教育・研修制度を充実し、スキルアップの機会を提供することは重要です。規模が大きくなると院長と幹部が共に参加する経営目線を盛り込んだ研修も重要となってきます。離職率が高い要因1位は人手不足で仕事がきつい、2位は賃金が安い、です。とはいえ医院・クリニック経営の上で賃上げできるほどの余裕のない医院・クリニックも多い現状があります。国がおこなう助成制度の活用も選択肢のひとつです。
- 業務改善助成金
- 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
- キャリアアップ助成金(正社員化コース)
- 両立支援等助成金(育児休業等支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コース等)
これらの要素を考慮し働く環境を改善することで、医療人材の確保と定着を促進していきましょう。