4月26日の内閣府の規制改革推進会議において「介護・障害福祉分野におけるサービス事業者の合併、事業譲渡等」が議題の1つに取り上げられました。
<厚生労働省>
介護・障害福祉分野におけるサービス事業者の合併、事業譲渡等(pdf)
【議題となる背景】
介護需要は高齢化の進展で今後も増えていきますが、低賃金などの理由により介護人材が不足しています。厚労省は2040年度には介護職員の必要数は約280万人となり、約69万人が不足すると推計しています。また拡大する介護需要に対応するための生産性向上に向けた取り組みが必須だとしています。
【合併、事業譲渡等を促す取り組み】
政府は小規模な介護事業者の経営改善を促しており、厚労省では社会福祉法人に対して下記のような支援策を取りまとめました。
- 社会福祉法人の合併手続きや役員の退職金に関するルールを明確
- 「社会福祉法人の合併・事業譲渡等マニュアル」の周知徹底
- 社会福祉法人へのM&Aの成功事例の紹介の周知徹底
- 「社会福祉法人の事業展開に係るガイドライン」の合併手続きの見直し
- 合併の際にファンドなど第三者からの支援・仲介を受ける場合にはその手数料などの経費を払ってもよいことをガイドラインに明記
- 合併の際に必要な経営資金の融資条件の優遇
【経営統合まで踏み込まない場合の支援】
厚労省、都道府県は下記の支援を予定しています。
- 複数の社会福祉法人が人材育成や研修、採用活動などを共同で行うことを推進
- 社会福祉連携推進法人の立ち上げを支援するため新たな手引きの作成
- 経営改善の必要性を認識してもらうための都道府県が社会福祉法人の経営状況を分析、公表し、また経営相談を受付け
4月22日のデジタル行財政改革会議において岸田首相の指示により、武美敬三厚生労働相が、介護事業の経営改善の政策をまとめることになっています。小規模な介護事業者の経営改善を促進していますが、その中には社会福祉法人も含まれています。
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