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会計税務永年勤続表彰金の社会保険・所得税 雇用保険の取扱いについて

2023.11.24

永年にわたり勤務している人に支給される永年勤続表彰金についてですが、令和5年6月に厚生労働省から日本年金機構に「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」の一部改正の事務連絡があり、その記載内容から実務上の取扱いが明確になりました。

■社会保険について

日本年金機構の「標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集」では、下記の要件を全て満たすような支給形態であれば、恩恵的に支給されるものとして原則「報酬等」に該当しないこととなっています。

≪永年勤続表彰金における判断要件≫

①表彰の目的

企業の福利厚生施策又は長期勤続の奨励策として実施するもの。

②表彰の基準

勤続年数のみを要件として一律に支給されるもの。

③支給の形態

社会通念上いわゆるお祝い金の範囲を超えていないものであって、表彰の間隔が概ね5年以上のもの。

したがって、上記判断要件を全て満たす場合には永年勤続表彰金は社会保険の報酬等に該当しないこととなります。ただし、一部が満たされない場合でも年金機構等から事業所に対し、当該永年勤続表彰金の性質について十分に確認を取ることで、報酬等に該当するかを総合的に判断することとされています。

■所得税について

次に掲げる要件をすべて満たしていれば、給与として課税しなくてもよいことになっています。

永年勤続者に支給する記念品や旅行や観劇への招待費用

①その人の勤続年数や地位などに照らして、社会一般的にみて相当な金額以内であること。

②勤続年数がおおむね10年以上である人を対象としていること。

③同じ人を2回以上表彰する場合には、前に表彰したときからおおむね5年以上の間隔があいていること。

したがって、上記判断要件を全て満たす場合には永年勤続表彰金は給与課税の対象外となります。

※注意点

現金、商品券は、その全額(商品券の場合は券面額)が給与として課税されます。本人が自由に記念品を選択できる場合にも、その記念品の価額が給与として課税されます。

なお、旅行券を支給した場合にも原則として給与等として課税されますが、下記の要件を満たしている場合には給与課税の対象外となります。

①旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内であること。

②旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含む。)であること。

③旅行券の支給を受けた者が当該旅行券を使用して旅行を実施した場合には、所定の報告書に必  要事項を記載し、これに旅行先等を確認できる資料を添付して事業所に提出すること。

④当該旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部または一部を使用しなかった場合には、その使用しなかった旅行券は事業所に返還すること。

■雇用保険について

労働保険対象賃金の範囲において、年功慰労金・勤続褒賞金については賃金としないものと明記されていますので、該当しないこととなります。

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