今年も最低賃金が引き上げとなりました。
最低賃金制度とは:最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
厚生労働省の中央最低賃金審議会において、今年度の地域別最低賃金額改定の目安がとりまとめられました。全国平均は31円引き上げ961円となる見込みです。
■改定される最低賃金額(発効年月日:2022年10月1日 ※静岡県は10月5日)
東京都 | 1,041円 → 1,072円 |
神奈川県 | 1,040円 → 1,071円 |
千葉県 | 953円 → 984円 |
埼玉県 | 956円 → 987円 |
静岡県 | 913円 → 944円 |
茨城県 | 879円 → 911円 |
最低賃金の確認方法
最低賃金は時給で表示されますので、基本的にすべて時給に直して確認します。
時給 | 時間給≧最低賃金額(時間額) |
日給 | 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額) |
月給 | 月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額) |
例)下の図の情報から月給制を時給に直して確認します。
支給された賃金から対象外となる通勤手当、時間外手当を除外します。
(この他、除外される手当には慶弔手当など臨時的なもの、固定残業代、休日手当や精皆勤手当、賞与などがあります。)
257,000-(12,000+35,000)=210,000
210,000÷(8時間×250日÷12か月)=1,260>1,072
210,000÷(8時間×250日÷12か月)=1,260>1,072
計算された時給は1,260円ですので最低賃金額以上と確認できました。
改定された最低賃金の適用基準日
改定された最低賃金は、労働日(勤務日)を基準に適用されます。
例)15日締め当月25日払いの医院・クリニック 発効年月日:2022年10月1日
9月16日~9月30日・・・今までの賃金
10月1日~10月15日・・・改定後の最低賃金が適用
9月16日~9月30日・・・今までの賃金
10月1日~10月15日・・・改定後の最低賃金が適用
計算の煩雑さを避けるため、改定前の給与計算期間については、最初から最後まで労働者に有利な新しい最低賃金で支給しても問題ありません。