最近、『社会保険完備』や『住宅手当あり』をうたっている求人を見かけるようになりました。 やはり各手当については手厚い方が求められるのでしょうか。 |
いったん導入すると廃止することが難しいため、慎重に検討する必要があります。 |
歯科衛生士学校へ求人を出された医院・クリニックから、学校側が『社会保険完備』としている医院・クリニックを選びなさいと指導している話を聞いたことがあります。
社会保険完備とは一般的に「健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険」全てに加入する意味を指しています。
アルバイトやパート採用のスタッフでも勤務日数・時間が正社員(常勤)の4分の3を満たしているなど加入要件を満たしている場合は社会保険に加入できます。
短時間勤務のアルバイトが多くスタッフが5人未満の医院・クリニックでは健康保険や厚生年金の加入制度があるところはまだ少ない状況です。
では、『住宅手当』についてはどうでしょう。
住宅手当とは、一般的には事業主が家賃やローンなどを補充する目的で支給する手当です。
住宅に関する福利厚生の一つですが、法律で義務付けられていないため、手当の条件や金額を事業主が自由に決めることができます。
金額の決め方
- 条件なしで一律で支給する
- 賃貸か持家かで区分する
- 扶養家族がいるかどうかで区分する
- 家賃やローンの金額に応じて支給する金額の決め方
なお、東京都の住宅手当の相場は15,000円~20,000円のようです。
■注意点■
住宅手当は社会保険や労働保険の算定基礎となるため、手当支給前より社会保険料の負担が大きくなります。
また、「4」以外は、前ページ記載の除外可能な「住宅手当」と見なされないため、労働基準法の割増賃金の基礎額になります。
■割増賃金の計算から除外可能な住宅手当の要件■
- 住宅に要する費用に定率を乗じた額としている手当
- 住宅に要する費用を段階的に区分し、費用が増えるにしたがって額を多くしている手当
いったん導入すると廃止することが難しいため、慎重に検討する必要があります。
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