確定拠出年金制度には、「企業型」と「個人型」の2種類があります。(それぞれの加入条件は、現在加入している年金制度等が関係しています。)2020年6月5日付で「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が公布され2022年度に確定拠出年金制度が改正されます。
個人型確定拠出年金制度(iDeCo)を重点に、改正の概要をご案内いたします。
iDeCoの概要
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、その言葉が示す通り、「個人」が「掛金を自分で決め(確定拠出) 自分で運用する「私的年金制度」です。
2022年5月から加入可能年齢が拡大されます。
現在、iDeCoに加入できるのは60歳未満の公的年金の被保険者ですが、65歳未満に拡大されます。加入は60歳までは必須ですが、それ以降65歳までの間は任意加入になります。
※ご参考:これまで加入できなかった海外居住の方でも国民年金に任意加入していれば、iDeCoに加入できるようになります。
2022年4月から受給開始時期の上限が75歳に延長されます。
iDeCoの老齢給付金の受給開始時期を60歳(加入者資格喪失後)から75歳までの間で、ご自身で選択することができるようになります。
2022年5月からiDeCoの中途引き出し条件の緩和
これまで中途引出しが例外的に認められているのは、国民年金の保険料免除者等に限られていましたが、通算の掛金拠出期間が短いことや、資産額が少額であることなどの一定の要件を満たす場合には、iDeCoの脱退一時金を受給できるようになります。
①改正により、公的年金を65歳前に繰上げ請求された場合は、加入要件を満たした場合であっても、iDeCoに加入することができませんのでご注意ください。
②税制上のメリットについては従来通りですが、元本が保証されていない点につきましては十分ご留意ください。