以前、ハローワークから「採用面接で家族に関する質問をすることは不適切です」と記されている資料をもらいました。家庭環境についての質問は、面接の空気を和ませるのに役立っていると思っていましたし、シフトの都合上聞いておきたいことの1つです。なぜ、問題なのでしょうか。 |
たとえ面接の空気を和らげるためであっても、家族に関することなど、本人の適性と能力に関係がない事項を採用面接時に質問し把握することは、就職差別につながるおそれがあります。 |
2018年度(令和元年度)にハローワークが不適切な採用選考の実態について把握した状況によると、応募者から「本人の適性・能力以外の事項を把握された」との指摘のあったもののうち、家族に関することが42.9%を占めています。
その他の項目についても確認していきましょう。
就職差別に繋がる恐れがある14事項
本人に責任のない事項の質問
- 本籍・出生地
- 家族
- 住宅状況
- 生活環境・家庭環境
本来自由であるべき事項の質問(思想・信条にかかわること)
- 宗教
- 支持政党
- 人生観・生活信条
- 尊敬する人物
- 思想
- 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動
- 購読新聞・雑誌・愛読書
不適切な選考方法
- 身元調査の実施
- 本人の適正・能力に関係ない事項を含んだ応募書類(社用紙)の使用
- 合理的・客観的に必要性が認められない健康診断の実施
ここに記載したものに限らず、差別に繋がる事項に気を付けてください。
医院の採用面接時のエントリーシート
医院の採用面接時のエントリーシート、質問内容を確認しましょう
【エントリーシート】
□ 本籍や帰省先を記入する欄がある
□ 健康状態や既往歴を記入する欄がある
□ 家族構成や家族の職業など、家族に関することを記入する欄がある
【採用面接時】
□ 場を和ませるつもりで、家族や出身地に関することを聞いている
□ 家の間取り、借家・持ち家などの住宅状況について聞いている
□ 思想や信条に関すること、愛読書などについて聞いている
1つでもチェックが入ったら、不適切です。
上記の項目は本人の適性や能力と関係ありません。質問事項から外しましょう。