従業員からの患者情報の漏えいが気になります。従業員のコンプライアンス意識を高めるために有効な方法はありますか? |
情報管理に関する誓約書の定期的な提出や、守秘義務に関する勉強会の実施等があげられます。 |
医療に携わるものであれば、患者の症状や来院履歴等の情報は、当然厳守すべきものです。芸能人の来院情報を投稿するなどのスタッフによる不適切な情報漏洩によって、医院の信用は容易に失墜してしまいますので、十分な教育を行わなければなりません。一旦、情報漏えいが発覚すれば、謝罪や賠償はもちろん、信頼の回復には相当の期間を要する可能性もあるでしょう。
通常、医院では、個人情報保護法を遵守する旨を廊下等に掲示し、採用時には情報管理に関する誓約書を提出させるなどの対策を実施しているでしょう。しかし、誓約書を提出させるだけでは医院の責任をはたしたことにはなりません。従業員にその誓約書が何を意味するのか、きちんと理解してもらう必要があります。
従業員の情報管理に対する意識を高めるための方法として、守秘義務に関する教育を全従業員に対して実施することが有効でしょう。情報管理の責任者が中心となって内部研修を実施し、新たな従業員が入社した差異にはその動画を見せる等、新人研修のプログラムにも加えるべきだと思います。
また、誓約書だけでは網羅できない内容もある場合には、重要なことは誓約書で定め、付随する事項を守秘義務契約として具備をする、又は就業規則に定めておく等が望ましいでしょう。医院としては、情報漏えいを未然に防ぐための教育・内部研修の実施、誓約書の具備及び就業規則の規定化などの取り組みが求められます。
誓約書作成時のポイント
- 誓約書の内容を従業員が理解しやすいものとする。(抽象的な表現・難解な表現は使用しない)
- 誓約書の内容については、説明する時間を設ける
- 誓約書は1年に1回等定期的に提出させる
- 誓約書の提出対象者は、正社員だけでなくパート社員も含めた全社員とする
- 勉強会を実施し、全従業員に同様の意識を持たせる