今年も健康診断の案内通知が届きました。気にはしていますが、毎年実施していません。何か気を付けることはありますか? |
毎年一回健康診断を行うことは、雇用主たる医院側の義務として法律で定められています。(労働安全衛生法第66条) |
健康診断の放置はリスク
従業員の健康に関する一定の責任は医院側にあります。従業員が業務を起因とする病気や死亡ということにでもなれば、責任者としての安全配慮義務が問われると共に、遺族に対する損害賠償責任も生じます。
こうしたリスクに対する防衛手段として、まずは就業規則において、従業員の健康診断受診義務と、受信しなかった場合の懲戒処分を明記する等、法律順守に対する姿勢を明確に示しておくことが望ましいと言われています。
労働安全衛生法の違反をすると…
①労働基準監督署からの是正勧告を受けることになります。
②50万円以下の罰金など、重い罰則があります。
③健康診断の結果は、健康診断個人票として記録し、5年間保存する義務もあります。
定期健康診断受診の対象は正社員のスタッフの方々のみではありません
健康保険に加入している正社員もしくは、契約期間が1年以上の有期契約で正社員の週所定労働時間の4分の3以上働くパートタイムのスタッフの方々も含まれます。
忙しいといった理由等により、健康診断を受けようとしないスタッフの方々への対応
従業員の方々には健康診断を受ける義務があります(労働安全衛生法第66条5項)。ただし受診義務違反に対する罰則は設けられていません。しかしながら受診義務違反を理由に懲戒処分を受ける可能性があります。
健康診断の費用や、健康診断で勤務していない時間の賃金の支払について
①健康診断の費用は雇用主が負担すべきとされています。その理由として労働安全衛生法上雇用主側に健康診断の実施義務が課せられているためです。
②健康診断に要した時間の賃金も全額保障することが望ましい、とする通達がでています。
健康診断の結果、再検査になった場合の費用負担について
再検査について法的義務はありませんので、その費用もその間の賃金支払いも負担する必要はありません。