生命保険を相続対策として利用できると聞きました。どのような方法がありますか? |
生命保険にはその特性から、①受取人を指定して相続させる ②当座の手元資金として利用する ③相続人の納税資金として利用する等の利用方法があります。 |
① 受取人を指定して相続させることが出来る
死亡保険金は、「保険金受取人の固有の権利」という法的性格を有しています。他の相続財産については遺産分割協議が整わないと、各人の分配額は定まりませんので、その財産を処分することは出来ません。しかし、生命保険金については、被相続人が死亡することによって保険金受取人が取得することになった固有の財産である為、遺産分割協議を経ることもなく保険金受取人が取得することが出来ます。
② 当座の手元資金として利用することが出来る
銀行が被相続人の死亡を知った場合には、遺産を保護する観点から、被相続人の預金口座を凍結します。その為、遺産分割協議が整うまでは、一定の手続きを経ない限り引出し等は出来なくなります。
この為、葬儀費用や入院費等を相続人が立て替えなければならない必要が出てきた際に、相続人の資産状況によっては、資金調達に苦慮することも考えられます。
このような場合に、被相続人が一時払いの保険等に加入していれば、保険金受取人が保険金請求手続きを行い、手続き後1週間から10日程度で、保険金を取得することが出来ますので、これを原資として葬儀費用や入院費用等の支払いに充てることが出来ます。
③ 相続税の納税資金として利用することが出来る
相続財産が、不動産や自社株式ばかりである場合には、納税資金を確保する為に、それらの資産を売却しなければならなくなる可能性もあります。生命保険契約では、契約を分ける以外に保険金受取割合を指定することにより、相続人ごとの死亡保険金の受取金額を設定出来る商品もあります。
事前に納税シュミレーションをして各人ごとの納税資金の見当をつけておくこと等の準備をしておくことによって、先祖から受け継いだ財産を次代に円滑に引き継いでいくことが可能となります。
相続は生前対策をすることにより、相続発生後のリスクを抑えられますので、相続にご不安がある方は、専門家にご相談ください。