自宅の一室で経理を行っています。事務所費として経費に計上することはできますか? |
事業に使用している部分については、経費として計上することができます。しかし、自宅の家賃・水道光熱費・通信料等には、プライベート部分(家事費)も含まれていますので、家事費と事業費を合理的に按分する必要があります。(→ 家事費と事業費が混在している経費を『家事関連費』といいます。) |
■ 一般的に計上可能な家事関連費
●固定資産税 ●建物の減価償却費 ●修繕費 ●管理費(マンションの場合) ●火災保険料 ●住宅ローン利息
●通信費(電話・インターネット等) ●水道光熱費(水道・電気・ガス等)
■ 合理的な按分方法とは
家事費と事業費の按分については、家事関連費のうち事業に使用する割合(事業割合)を算出して按分します。
1.家 賃
家賃の場合には、毎月の家賃を、仕事で使用している㎡数をもとに按分します。
たとえば、賃貸マンション(3部屋あり、総床面積60㎡)のうち、1部屋(床面積18㎡)を事業用として使用している場合、18㎡÷60㎡で按分します。この賃貸マンションの家賃が12万円の場合に、費用として計上する金額は『120,000円×18㎡÷60㎡=36,000円』となります。
2.電気料金
医院の経理をパソコンを使い行っている場合には、電気料金も計上が可能です。按分する方法として、作業時間や作業日数、コンセントの数などがあります。仕事をする部屋が決まっている場合は、あらかじめ仕事用のコンセントを決めておき、その割合で計算すると楽になります。
3.自動車関連費用
自家用車を通勤等に使用している場合、自動車の購入代金、駐車場費用、ガソリン代、自動車税、車検代などに事業割合をかけて経費計上することができます。按分比率としては、走行距離数を使うのが一般的です。また自動車の購入代金そのものは、減価償却費に事業割合をかけて費用計上していくことになります。
個人事業者の家事関連費は、税務調査の際に指摘されやすい部分です。事業費を経費として認めさせるには、計上金額の根拠となる資料等を揃えておくことが必要になります。
■ 事業費を経費として認めさせるポイント
● 自宅で経理を行う場合は、納税地を自宅に変更(納税地の異動届を提出)する。
● 経費計上する自宅が持家の場合には、土地、建物を固定資産台帳に記載する。
● 自宅の見取図をもとに事業割合を算定する。
● 経費に計上するものの領収書、明細等の保管を行う。
● 毎月経費処理を行い期末で家事費 部分を振替処理する等経理処理を明確に行う。
● 電話代やインターネット代は、自宅の事務所と給与及び会計データのやり取りを行っている場合などに限り、
その一部を計上する。