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以下では、CLIENT2017年12月号の中から相続トピックスをご紹介します。
将来の相続を検討するときに、相続財産として思いつくのはざっと次のようなものではないでしょうか。自宅・医院、医療機器、上場株式…。このほかに、一部の親族にだけ多額な援助がある「特別受益(とくべつじゅえき)」についても考えるべきでしょう。今回は、相続が増加しているこの特別受益についてご紹介します。
特別受益の考え方 – 特別な贈与に要注意!
特別受益とは?
「特別受益」とは、被相続人が生前に一定の相続人へ行った特別な贈与をいいます。税法では、お亡くなりになった日から3年以内に子や配偶者等が被相続人から受けた贈与は、相続税の計算上相続財産として計算する必要があります。
ただし、民法では3年以内という考え方はありません。1年前でも数十年前でも特別な贈与を受けた場合には特別受益の持戻しの対象となる場合があります。つまり、20年前の贈与についても対象となるケースがあるのです。
特別受益の判定基準や問題点
判定基準 | 親族間の扶養としての援助の範囲を超えるものかどうかが基準になってきます。医院や住宅建設時の費用などが分かりやすいですが、歯学部の学費についても高額であるため該当することがあります。 |
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取扱い | 相続財産の前渡しと考え、その分を相続財産とみなした上で遺産分割を行います。 |
問題点 | ・財産の価額を特定するには客観的な根拠が必要な上、趣旨や経済状況など杓子定規に判定できない難しさがあります。お互いに弁護士を立てる事態に発展してはまとまるものもまとまりません。
・先生に特別受益があったと認定された場合、相続できる財産が減り、資金繰り等の計画に影響がでることもあります。 |
財産の分配は自由ですので、特別受益が問題となるのは遺産分割で揉めた時です。
特別受益は自ら手を挙げ名乗り出るものではありませんが、他の親族も気づいているような多額な援助を受けている場合には、あらかじめその分を考慮した分配を申し出るなどの配慮も必要です。
お互いに昔のことを言い出すと遺産分割協議もなかなか進みません。日頃から両行な関係を築くことが、円満な相続へと繋がります。